戦後労働運動史33 第11章 総評の混乱 沈滞をつきやぶる港湾労働者のストライキ
第11章 総評の混乱
1 沈滞をつきやぶる港湾労働者のストライキ
朝鮮戦争1ヶ月 仁川上陸でまきかえした米軍は38度線をこえたが 中国が参戦し壊滅の退却戦においこまれた
トルーマンは原爆使用で恫喝 アメリカ政府は国家非常事態宣言を発表
51年1月25日ダレス来日 対日単独講和を工作
総評および全闘は51年春闘で 労働者が先に走り始めるのをおそれて 民間組合を中心にして「賃金ベース・アップの一大闘争を展開する」と決定した
旧全労連系の賃金共闘連絡会議も 賃上げ闘争と労働強化反対闘争にとりくもうとしたが
産別会議のなかから 賃上げ闘争こそ全面講和の闘争である賃金闘争一本でたたかうべきとの奇妙な考えがもちあがり
産別金属もこれに同調し 賃上げ闘争で統一行動が組織できるなら 金属の組織はなくなってもいいとさえ言い始めた(51年全金属東京機関紙)
ここに全金属は一日一分会のわりで脱退がつづいた
賃上げ共闘の統一行動は実現しなかった
春闘は 総評系は 軒並み40%から50%の高額要求をだした
全鉱は8300円の現行賃金から1万4250円の72%の要求
2月7日 三井、三菱、北炭、井華(住友)の大手4社80組合12万9240名が無期限ストで火ぶたをきった
地方大手も闘争にたったが2月10日三井が妥結し、三菱、井華が崩れ、残った北炭も22日に妥結
賃金は23~26%あがったが、作業量が15~30%ひきあげられ、能率賞与が採用によって逆に賃下げとなった
資本家はノルマの引き上げとひきかえに わずかばかりの名目賃金の引き上げで ストによる炭価の暴騰で ぼろもうけしたのである
炭労ストにつづいて全日通、全鉱、電産、鉄鉱、造船の闘争もほとんど一時金で妥結 しかもわずかばかりの名目賃金の引き上げと引き換えに、労働時間の延長、賃金格差の拡大(職階配分)をみとめて妥結したのだ
総評幹部のぶざまな低賃金での妥結に大衆は決して容認せず闘争は波状的に継続した
この数ヶ月継続した春闘のなかから港湾労働者の大ストライキがおこった
3月4日 大阪港で南朝鮮むけの米をつみこんだ軍船ヴィクトリア号の作業中に,一労働者が手かぎを使ったという理由で、そのハッチの全員が、アメリカ兵のために旧日本軍隊式のビンタをくった
このビンタによる流血をきっかけに請うwん労働者はストになだれこんだ
朝鮮戦争がはじまると同時に、ものすごい労働強化で、港湾労働者は連日くたくたになるまで追いまくられた
超過労働の疲労による死傷率は急激に上昇カーブをえがいていった
現場では24時間から36時間作業がつづき、そのうえ監視が厳しく、殴られたり、蹴飛ばされたり、何人かは海のなかに投げこまれたりした
4月6日全港湾大阪地本の闘争宣言
「生活を防衛するばかりでなく、明らかに国際帝国主義者どものたくらみ、再軍備、戦争への再植民地政策との闘い」であり、「われわれは輝かしい伝統をもっている世界の港湾労働者に、決しておくれをとらず、全日本の労働者の先頭にたって闘う」
大阪の港湾ストは、神戸、名古屋に波及した
神戸では沿岸支部、船内支部、はしけ曳船支部、検数支部2700名が合同大会をひらいてストライキに突入した
4月13日は48時間スト、15日から無期限ストに
ストライキは7日間つづき、神戸港は完全に機能を停止してしまった
50万トンが滞貨し、軍物資の一隻をのぞいて、日本船26席、はしけ全部が荷役作業を停止させた
このストライキは全倉庫、日通、海員の階級連帯によって支えられた
日通はスト中のはしけ荷役を全面的に拒否した
自由労働者も共闘にたった
総同盟兵庫県連もスト組合を激励した
名古屋で4月15日に24時間スト、16日から無期限ストに突入した
名古屋港のストで、貯炭は減り、鉄道、ガスは危機においこまれた
この港湾労働者のストは、日本の労働者にはかりしれない影響をあたえ、戦争反対、平和の要求は急速に労働組合の合言葉となっていった
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